統合失調症は怖い病気なの? 統合失調症の原因と治療法

占い 2020/03/03

「そこに誰かがいる」「何かの声が聞こえた」…幻覚や妄想が生じる”得体の知れない病”とも捉えられがちな統合失調症。

では本当に統合失調症は恐ろしい病気なのでしょうか。今回は統合失調症の原因と治療法について紹介します。

統合失調症とは?

統合失調症は、日常生活を破綻させる、妄想や幻覚などの重度の症状を伴う病気です。

統合失調症に罹ると、幻覚や妄想といった症状によって、周りの人物との交流を図れなくなったり、仕事や学業ができなくなったりすることがあります。

最悪の場合、幻覚や妄想から、突発的に自殺を図ってしまう患者さんもいます。

幻覚や妄想という症状から、統合失調症は、「何をするかわからない病」として、日本を含め世界でも偏見が強く残っている病気です。

症状

統合失調症の患者さんには、どのような症状が生じるのでしょうか?

統合失調症に罹るとあらわれる症状は、主に4つです。

  • 幻覚や妄想を伴う陽性症状
  • 感情の起伏や発語が乏しくなる陰性症状
  • 話がまとまらなくなる解体症状
  • 高度な思考能力に異常が生じる認知障害

それぞれの症状について見ていきましょう。

陽性症状

統合失調症のイメージとしてすぐに思い浮かぶのは、おそらく陽性症状ではないでしょうか。
代表的な陽性症状は、”本当は存在しないものに対する”妄想や幻覚です。

以下の症状が、統合失調症の患者さんが示す陽性症状です。

  • 後をつけられている、だまされているなどの被害妄想
  • 本や歌詞などの文章が自分に向けて書かれていると考える関係妄想
  • 思考や衝動が自分の中に吹き込まれていると思う思考奪取や思考吹入
  • 誰かから悪口を言われているという幻聴
  • 誰もいないのに誰かが見える幻覚

陰性症状

統合失調症患者は、いったん陰性症状に陥ると、感情や意欲が見られなくなります。

例えば感情が平坦化し、感情を表現せず、笑顔を見せなくなります。

過去に好きだったことや他人との交わりに興味を失ったり、言葉の数が少なくなったりもします。

解体症状

解体症状では、統合失調症の患者さんの話にまとまりがなくなり、話す話題が次々に変わり、支離滅裂で理解できなくなる思考障害が生じます。

着替えをせず、外見が不衛生になり、気まぐれで行動が読めなくなり、おかしくもないのにくすくす笑ってしまうなど、異常な行動を始めるのも、解体症状の一つです。

認知障害

統合失調症の患者さんは、さらに認知障害によって、集中力や記憶力、整理能力、計画能力、問題解決能力などが低下します。

日常的に起こり得るのは、「集中力が続かず、本が読めない」「映画やテレビ番組の話の筋についていけない」といった問題です。

仕事や学業では、認知能力の障害によって、頭を使う複雑な課題や意思決定ができなくなってしまいます。

妄想や幻覚を感じ、感情を失い、頭が働かなくなる統合失調症は、重度の精神疾患だということが分かるのではないでしょうか。

統合失調症の3つの型

統合失調症をさらに細かく分けると、妄想型と緊張型、破瓜型があり、それぞれ症状が異なります。

妄想型

妄想型は、妄想や幻聴などの陽性症状が目立ち、陰性症状はさほど顕著に現れません。

発症は20代~30歳前後と比較的遅い傾向があります。

対人コミュニケーションは良好に保たれていることが多く、人柄の変化もあまり目立ちません。

しかしひどくなってくると、幻聴や妄想によって、周囲から見ておかしな行動を行うこともあります。

緊張型

陽性症状として、大声で叫んだり、奇抜な姿勢をとったりする緊張症状を伴う症状が緊張型です。

緊張型の症状では、極度の不安や緊張の結果、動きが全くなくなる昏迷状態になったり、激しい興奮状態になったりします。

これは一見、緊張状態の生き物が危険から身を守るときの行動に似ていますよね。

緊張型は青年期に、急に発病し、多くは数カ月で消失しますが、再発も稀ではありません。

破瓜型

破瓜は「はか」と読み、思春期を象徴する言葉です。破瓜型の統合失調症は、10代半ば頃の思春期の早い年齢で発症します。

「最近口をきかなくなった」「外に出なくなった」という自閉症状や感情の平板化が中心になります。

一見この症状は、思春期特有の行動としても捉えられます。

症状が目立たないので発見が遅れ、見逃してしまいそうです。

統合失調症には、陽性症状や陰性症状によって、妄想型と緊張型、破瓜型に分けられることが分かります。

原因

この統合失調症はどのような原因で生じるのでしょうか。

統合失調症は、遺伝と性格、脳の変化、環境などの要因が組み合わさって発症するといわれています。

統合失調症は遺伝子のせいで罹ると思う人も多いかもしれません。

確かに遺伝的要因は発症のリスクを高めますが、それはあくまでも、発症の原因の1つです。実際、研究によると、同一の遺伝子をもった一卵性双生児でも、2人とも統合失調症を発症したわけではないといいます。

では統合失調症に罹る方は、なにか性格の特徴があるのでしょうか。

内気でおとなしく、控えめ、神経質、傷つきやすいなどの性格。人と交わるのが苦手で、一人でいることが好きなど…。全ての人に当てはまるわけではありませんが、このような性格の方は、統合失調症になりやすいといわれます。

それに加え、統合失調症の患者さんの脳では、理性を司る前頭葉や、言語や聴覚に関わる側頭葉、記憶と関連する海馬、感情の処理を行う扁桃体といった脳部位の萎縮、前頭葉の機能の低下などの脳の変化が見られるといいます。

最近では、さらにドーパミンの過剰分泌が、統合失調症の幻覚や妄想といった陽性症状の原因であるとする見かたもあります。

しかし、脳の特徴や神経伝達物質の異常が、統合失調症の発症にどのように影響しているかはまだ分かりません。

過去には、統合失調症の発病と最も関係があるのは、養育環境だと考えられたことがありました。しかし現在では、ストレスフルな養育環境は、発症の1つの要因にすぎないと考えられています。

遺伝と性格、脳の変化、環境などの要因が、統合失調症の発症に関わっているとされる一方、どういうメカニズムで統合失調症が発症するかは未だに分かっていません。

罹患率

統合失調症は、100人に1人が発症する身近な病気です。発生率には男女の差はほぼありません。

発症年齢は、10代後半〜30代に多く、中学生以前や40代以降に発症することは稀です。

比較的若い時期に発症するのが、統合失調症の特徴です。

治療法

統合失調症に罹った場合、どのような治療を行えば良いのでしょうか。

主な統合失調症の治療法は、薬を使った薬物治療と認知や行動を変える心理療法、社会的なトレーニングを行うリハビリテーションです。

誤った信念や歪められた思考パターンを修正するために用いられるのが、認知行動療法です。うつ病や不安障害の治療に頻繁に用いられているこの治療法は、統合失調症の患者さんにも効果があると報告されています。

統合失調症の場合には、妄想や幻聴にかかわる強い信念に対して、この認知行動療法を行っていきましょう。妄想や幻覚そのものを否定するのではなく、セラピストとともにそれを肯定しつつも、いろいろな角度から検討するのが大事です。

例えば、妄想や幻聴の内容について、「それが本当に正しいことなのか」「この前起きたことなのか」といった面から、非合理性を確認してみましょう。

客観的に妄想や幻聴を見てみることで、自分の中にある誤った信念と距離をとれるようになります。

しかし、心理療法では対処できないほど、幻覚や妄想などの陽性症状が激しいときには、抗精神病薬によって、陽性症状を抑える薬物療法を行っていきましょう。

一方、現実場面での生活の回復や向上を目指すのが、リハビリテーションです。これには、社会スキルの向上を図るソーシャルスキル・トレーニング(SST)や、生活に必要なスキルを習得する作業療法が含まれます。

ソーシャルスキル・トレーニング(SST)は、グループによるロールプレイ形式で行われ、統合失調症によって低下した、患者さんの社会・生活のスキルの回復を目指します。

さらに患者さんは、作業療法士の下で行う作業療法によって、手芸や園芸、料理などをし、一つずつ社会生活で必要なスキルを見に付けていきます。簡単な作業を通して、楽しみや充実感というポジティブな感情を、徐々に体験することができます。

いずれにしても、医師と相談しながら、統合失調症を治すために、自分にあった治療法をじっくりと見極めていくことが大切です。

まとめ

統合失調症には、「不治の病」「怖い病気」などの悪いイメージがつきまとうことも。

確かに、幻覚や妄想を伴う重度の精神疾患であることに間違いはありません。

しかし現在の研究では、適切な治療を早めに行ったときには、統合失調症からの回復が早いと言われています。

統合失調症は「怖い不治の病」ではありません。今まで抱いていた統合失調症へのイメージを変えることが重要です。

もし統合失調症に罹ったとしても、統合失調症は治らない病気だと思わず、ぜひ治療に取り組んでください。

統合失調症について、さらなる詳しい情報を知りたい方は、統合失調症ナビをご覧ください。

https://shinri.site/archives/45733

references: 厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」 /written by shinri

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